歯周病は老化によるもの?
加齢と共に歯を失う人が増えています。これは老化によるものでしょうか。また世間的には、生まれつき歯が強い、弱い、という声を聴くこともありますが、「歯の失いやすさ」は生まれつき決まっているものなのでしょうか。
歯を失う原因の第一位は、歯周病です。
そして歯周病が進む一番の原因は、実は歯の汚れ(プラーク)の中に潜む細菌や、細菌の出す毒素が原因なのです。歯磨きがしっかり行われていないとプラークが歯に蓄積してしまいますが、歯と歯茎の間に蓄積するとプラークの中の細菌によって歯茎に炎症が起きてしまいます。その炎症が進むと、歯を支えている部分である骨(歯槽骨)が溶かされてしまい、この状態になるといわゆる「歯周病」ということになります。痛みがないことが多いので、そのまま放置してしまうケースも少なくありません。
厚生労働省の歯科疾患実態調査(平成23年)によれば、20~24歳・25~29歳での歯周病罹患率が10%強であるのに対し、30代になると20%を超えます。40歳代以降は徐々に罹患率が高くなり、65~69歳での罹患率は約50%にも及びます。
「30歳以上の日本人の80%が歯周病」「歯周病は国民病」とも言われるほど、歯周病は日本人に多い病気です。30代以降に増える傾向があるため、30代からは特に注意していかなければならないということですね。
歯周病を予防するためには日々のご自身の歯磨きで、どれだけしっかり汚れを落とせているか(プラークコントロール、セルフケア)と、定期的な歯石除去などのプロフェッショナルケアが重要です。毎日歯磨きをしていても、自分では落としきれない汚れが溜まってしまいます。この磨き残しが歯周病の原因となってしまうため、セルフケアに加えて医師や歯科衛生士によるプロのクリーニングが必要というわけです。
近年では、歯周病はただ歯を失う病気のみにとどまらず、全身との関わりも示唆されています。日本臨床歯周病学会の発表では、狭心症・心筋梗塞といった心臓疾患、脳梗塞、糖尿病、他・・・。女性の場合は、低体重児早産などにもつながるとされています。怖い話ですね。
心配になられた方、気になられた方は、是非一度、検査を受けられてみてはいかがでしょうか?
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